…みなさん、私は教育者として いや、人間として許されぬ罪をいくつも犯しました。 私は、金田の詐欺に手を貸しておりました。やがて金田が邪魔になった私は… 15年前の11月10日、彼をナイフで殺したのです。 そのとき金田の家には浅川しのぶがおりました。 一部始終を見てしまった彼女を 私は車で追いかけはねた上… 動かなくなった彼女を連れて、現場から逃げました。 15年たった今、私の犯罪に気づいた二人の人間が現れました。 一人は小島洋子です。彼女は何かのきっかけで事件を調べ始め、全てを知ってしまいました。 もう一人は金田五郎です。事件の夜、現場から逃げる私を見た金田五郎は… 今になって私を強請り始めました。事実が明らかになることを恐れるあまり私は… この二人までも手に掛けました。そして… 愚かにもその後で気づいたのです。自分の運命がここまでだと… 隠し通せるわけがない、こんな簡単なことに、何故、早く気づかなかったのか悔やまれます。 こんな私を信じ、そして…慕って下さったみなさまにお詫びするためには、 こうするより仕方なかったのです…。 -浦辺忠志- |