橋下友茂さんのコメントコーナー!!



 このページは、照井さんに続いて『ふぁみこんむかし話シリーズ』のメインプログラマー、橋下友茂さんからメールによりいただいたコメントを公開しています。

※注
 橋下さんのコメントは、やりとりしたメールの内容を橋下さんの了承の上再編集してあります。ご了承ください。




本人によるプロフィール

氏名 橋下友茂
Eメールアドレス hasisita@alles.or.jp
おもな作品歴
バクテリアエスケープ(FM−7,8)
対象 エニックス第1回ゲームプログラムコンテスト入選作品
担当 企画 メインプログラム メイングラフィックス
バレーボール(ファミコンディスクシステム)
取引先 任天堂 (持ち込み)
担当 企画 メインプログラム サブグラフィックス
スーパーリアルベースボール(初の実名野球ゲーム)
取引先 バップ
担当 企画 メインプログラム
新鬼ヶ島、前後編(ファミコンディスクシステム)
取引先 任天堂
担当 メインプログラム
遊遊記、前後編(ファミコンディスクシステム)
取引先 任天堂
担当 メインプログラム
タイムツイスト、前後編(ファミコンディスクシステム)
取引先 任天堂
担当 メインプログラム
新鬼ヶ島  前後編(ファミコンROMカセット)
取引先 任天堂
担当 メインプログラム
VSエキサイトバイク(ファミコンディスクシステム)
取引先 任天堂
担当 メインプログラム
セントギガ用ミニゲーム(スーパーファミコン)
取引先 任天堂
担当 メインプログラム



橋下友茂さんのコメント
【新鬼ヶ島の製作において工夫したところ】

 あの当時、アドベンチャーって、事件モノや、ミステリーモノがほとんどで、欧米からの影響を受けてましたよね。私も堀井雄二さんの”軽井沢殺人案内(FM−7&8)”を移植させて貰ってましたから、アドベンチャーのシステム自体は、おおよそ掴んでいたのですが、それとの差別化を計りたかったところで苦労しましたね。

 システム的に”縦書き”や”掛け軸、巻物ウインドウ”を採用し、”ひとかえる”システム など、菱田さんと結構話し合いましたよ。それに、”昔話”がウケるかどうか結構心配でしたね。ちなみに”縦書き”や”掛け軸、巻物ウインドウ”のアイデアは、私が考えたのですが、今は自慢ですが、当時はハード的に横書きが当り前だし、簡単でしたから、なんで、こんなめんどくさいことするんだと、思われたでしょうね。

 それに、人を代えられることで、圧倒的にフラグ処理が複雑になりましたね。ディスクアクセス回数も極端に減らしました。特にクイックディスクはアクセスが遅いので、ゲーム途中だと、しらけてしまいよ ね。それで、1章分をまとめてメモリーに読み込む方式で考えました。


【「おしてみなよ」誕生秘話

 これは、ゲーム制作の終盤で、”もっと遊びの部分を入れていこう”と話し合い、”なぞなぞコーナー”もそうですが、当時はプログラマーとかデザイナー、企画が一緒になって考えてゲーム作っていましたので、結構プログラマーからのアイデアも盛り込んでもらえたんですよ。いまだと役割がハッキリしていて、人数も多いのでなかなか出来ないでしょうが、当時は全員参加型でしたね。

  このアイデアも、遊びの部分を膨らまそうと、色々と実験した中で出てきたような思い出がありますね。(当時、もっとアイデアは、出ましたから)容量との相談で、余っている”章”に遊びを入れていったんですね。(もったいないので)ですから、あまりはっきりした理由があるわけではないんです。(^^;;


【「天ちゃんのなぞなぞコーナー」などの要素について】

 結構色々なところでヒントを出したり、もう一度楽しんだりと工夫を凝らした思い出は、ありますね。 あの頃って、容量が少なかったので、工夫で遊ばせていたんですよね。今みたいに容量が大きかったら、工夫もしなかったかも知れませんね。結構ゲームプログラマーって、シナリオ知らなかったりするんですよ。(笑)

  基本的に、”シナリオ”とか”ストーリー”といった独立した作業で、しょっちゅう変更などがあるゲームの場合、その部分だけ差し替えて処理できるようにあらかじめシステムだけを完成させておくケースは多いですね。そうしないと、シナリオが完成しないとシステムが決まりませんしね。(実際には、後からシナリオで”こんな処理がほしい”なんて言うのが多いんですが...(^^;;)

  特にアドベンチャーなどは、基本システムを組んで、スクリプト言語を扱うツールを作成した後は、データのコンバート作業などもサブに任せるのでシナリオを考える人が、自由に進めちゃうケースが多くて、いつのまにか実験しているときのシナリオしか覚えて無かったりして....でも、自分でも遊べるので得かもしれませんね。ヾ(^v^)k

  私が、自分の作ったゲームでエンディングで泣いたのは、新鬼ヶ島が、最初で最後でしたね。また、あのようなゲームが作りたい!!


【まぼろしの『新鬼ヶ島ROM版』】

 たぶん、発売はされていないでしょうね。容量的にROMでも実現可能となって、任天堂から依頼されて制作しました。色々な部分を改良してファミコンでは最高のアドベンチャーシステムになったと思い ますが、スーパーファミコンの”平成版”が進行していたので、未発表になったんでしょう ね。

 改良点としては、遊遊記、タイムツイストと作っていくうちに、システムもこなされて行き、そうした良い点を盛り込みました。具体的には、掛け軸や巻物のウインドウシステムを効率良く動かしました。以前は、フルで全て動かしていたのですが、必要な分だけ動かすことでレスポンスが良くなりましたね。それと、シナリオ的には地底湖のなまずのシーンを改良したのを覚えてます。

 基本的には、昔のイメージを崩さないことに力を入れました。そうそう、タイトルに”捲り”を入れましたね。(寄席にある立て看板のようなものです。)あと、章と章の間にデモアニメを入れました。(以前はロードの部分ですね。)

 こうして、お蔵入りになったゲームって結構ありますよ。バーチャルボーイやN64も結構やりましたし.....

 もしかすると、平成版のクリア後のおまけで入っているものがこれなのかもしれません。正直、その頃別の仕事をしてたので、ハッキリは分かりませんが、多分ファミコンRom版だと、SFCに組み込めるので使ったのだと思います。プログラム的に、上位互換がありますからね。結構、自分の作ったものの”その後”って知らなくて済みませんです。(^^;;


【現状と今後の抱負】

 私は、現在新宿のデジタルエンタテインメントアカデミー(以前はエニックススクール)というゲームスクールのマスターコース(実機を使って作品を作る最終コース)で、講師をしながら、自分の会社でインターネット関連の仕事を進めております。

 今のゲームは、”見せる”ことに力を注ぎすぎて”遊ばせる”と言う本来の目的を忘れているように思いますね。(特にPS2など)”こう見せたい”と言うのが最初にあって、途中が中途半端なので、うまく行くと作り手の思惑通りの結果を見れるけど、そうでないと めちゃくちゃって言うパターンが多いですね。遊んだ結果で”かっこいい場面”が見られるという方向が正しいような気がするんですが、どうでしょう。

 私自身は”スポーツゲーム”か”ダンジョンもの”が作りたいですね。 特にゲームボーイアドバンスでやってみたいです。






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