『照井啓司さんのコメントコーナー!!』




 このページは、『遊遊記』や『タイムツイスト』の作者である、照井啓司さんからメールをいただいたことがきっかけで作成しました。

 照井さんとのメールのやりとりで、ゲームの作成秘話や、裏話などを聞かせていただくことができました。どれも、非常に貴重なお話ばかりで、自分一人だけで楽しむのも惜しいと思い、照井さんの了承を得て、ここに公開することとしました。

 また、「照井さんにこんなことが聞きたい!!」ということがあれば、掲示板に書き込んでいただくか、ケヴィンまでメールして下さい。責任を持って照井さんに連絡し、返答はこのページにて公開していきます。

※注
 ここでは、基本的に照井さんのコメントをそのまま掲載していますが、一部、照井さんの要望や、レイアウト上で若干自分が手を加えているところがあります。ご了承下さい。




本人によるプロフィール

氏名 照井啓司
ペンネーム 梛岡岩哉(なぎおかいわや)
筆地克久(ひっちかつひさ)
Eメールアドレス PFF01266p/ 5kgt@pdc.broadnet.or.jp
おもな作品歴 <TV脚本>
「おじゃまんが山田くん」「Dr.スランプ」「ドラゴンボール」「ガキでか」「平成天才バカボン」他、約250本。

<TVゲーム原作・脚本>
「遊遊記」「タイムツイスト」他、4本。

<CD−ROM構成・脚本>
「ピーターと狼」などのMUSIC ISLANDシリーズ。「すぷらっちぇ!」他、6本。

 現在は、雑誌にコラムを書いて糊口をしのいでおります。来年には本が出る予定。どうぞよろしく。

 ちなみにゲームの仕事は、任天堂より初代「ゼルダの伝説」のストーリーを頼まれたのがきっかけです。(当時「デス・マウンテン」と呼んでいた)中世ヨーロッパの覇権争いに似た話を書き、トライフォースの伝説を作りました。バラバラになったアイテムを拾い集めるという今ではどうって事のないシステムですが、当時は結構斬新だったのです。(それが自慢!)



照井啓司さんのコメント
【はじめに】

 私、恥ずかしながら「遊遊記」と「タイムツイスト」の原案・脚本・演出(タイム〜だけ)を担当していました。もう10年ぐらい前の話です。当時TVアニメのシナリオライターをしていた私が任天堂に(世界の宮本茂!)声をかけられ、両作品とも1年以上かけて作ったものです。ファミコンをやった事がなく、ゲームシナリオのノウハウを全く知らなかったので、逆に妙な味が出たんじゃないかと思っています。

 「遊遊記」の時はTVCMもハデにやって結構売れたのですが、「タイム〜」の時は時期が時期であったこともあり、ひっそりと発売されひっそりと消えていきました。

 「出来の悪い子ほど可愛い」といいますが、大容量のものすごいゲームが続々発売される現在、「タイムツイスト」をインターネット上で話題にしてくれているという事実に感動いたしました。


 両作品にまつわるこぼれ話は山ほどあります。それを他人が聞いて面白いかは別ですが…。


【コンセプトについて】

 「遊遊記」が結構評判がよく、ヒットもしたので、「昔話シリーズの第3作も…」と、また私のところに話が来ました。当初は、「世界の昔話」を題材にしようという事で「アラビアンナイト」が候補に上がり、その方向で数カ月ほど企画を進めていましたしかし、任天堂の宮本氏から「ユニークで志の高い作品を」という要望があり、プロデューサーの菱田氏と二人でまた数カ月、企画を練る日々が続きました。

 で、結局タイムトラベルものに落ちつくわけですが、世界史やパズルの要素をふんだんに入れて、「プレイヤーに頭を使わせる」事を念頭に置きました。元々パズルやロジッククイズも好きだったし…。


【菱田氏について】

 「いったいさん」を若くしたような人です。おだやかでユーモアがあり、麻雀好きで……。でもこれは任天堂の社員みんなに共通している事です。なんせ、打ち上げの二次会に、数十人で雀荘に行ったんだから。ちなみに、「遊遊記」の原案と後編のシナリオは私ですが、前編のシナリオは彼が担当しています。


【ちょっとした話】

 「タイムツイスト」のキャラクターデザイナーは章ごとに違います。途中から3人増やして能率を上げたためです。


【幻の章について】

 「タイムツイスト」には、幻の章がありました。それは「禁酒法時代のシカゴ」です。主人公が乗り移るのはエリオット・ネス。悪魔が味方するのは勿論、アル・カポネです。主人公が懸命にカポネを追いかけるのに、シカゴの市民はみんなカポネに味方し四面楚歌になるという、自分では結構気に入っていた章でしたがディスクの容量が足りず、泣く泣くカットしました。






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