第四章

お守り?


 綾城商事に行って、二郎を呼ぶが、急な接客には応じてくれない。あたりを調べると社員が通りかかるので、呼び止める。社員の話では二郎は完治が死んだときもほとんどうろたえた様子を見せなかったという。一通り話をすると客を待たせていると行って社員は去っていく。

 あたりを調べるとまだ数名の来客があった。聞き耳を立てると会話が聞こえてくる。その話では、完治が進めていた計画が成功していたら、二郎の専務の座も危うかったということだ。

 あたりを調べると、さっきの社員の話が終わっている。社員を呼び、噂の話をしていると二郎が通りかかる。二郎と一通り話をすると、二郎は挑発的な態度をとって去っていく。

 明神駅に行くと、村人がキクを見たと言って騒いでいる。駅員、村人に一通り話を聞いたあと、再び駅員にユリについて聞くと、誰か上品な婦人が綾城家に行ったという。そこで、綾城家に向かう。 玄関には茜がいる。居間に行くと、完治の妻、かおりがいる。彼女はかなり取り乱している。アキラ、完治、気づいたことなどを聞き、寝室へ向かう。

 寝室では善蔵がタバコ入れを探している。一通り話をしたあと、居間に戻り、アキラのことを聞くと写真をもらえる。その顔に、主人公は見覚えがあるような気がする。電話が鳴っているのでとると、あゆみからだった。例の土蔵からなくなっていた骨董品が隣町で見つかったこと、売りに来たのは22、3歳の男だったということ、事件前日、アキラが40歳くらいの男と一緒に車に乗っていたことを教えてくれる。

 熊田医院へ行くと、完治の検死の結果が出たという。聞くと、どうやら完治はナイフで刺される前にすでに死亡していたらしい。アキラの写真を見せると少し古いものだといわれる。気づいたことを聞くと、自分の着ているシャツのサイズが合っていないと言われる。あゆみにもシャツのことを言われたのを思い出し、天地の家に向かうことにする。

 天地の家で自分のことについて聞くと、この服がいとこのもので、前の服はクリーニングに出しているという。気づいたことを聞いていると崖に行ってみるよう勧められるので、崖の上に向かう。

 崖の上で、崖の先端や崖と空との境界あたりなど、一通り調べる。天地の家に戻り、気づいたことについて聞いていると、主人公がうわごとのように「お守り」とつぶやいていたらしい。

 再び崖の上に行くと、美しい女性が立っている。彼女は藤宮ゆき子といい、崖の上で、恋人を待っているという。綾城家について聞くと、恋人は綾城和人だという。和人について尋ねると、彼は隣村で母親と一緒に住み、母の死後、法律家になるため町を出たという。

 綾城家に行き、善蔵に和人について聞くと、和人はユリの弟だという。和人はキクの息子ではなく、主人の死亡後、キクに疎まれて屋敷を出ていったのだという。二郎について聞くと、アリバイが成立したことを教えてくれる。そのあと、和人の話を誰から聞いたか話したあと、終電だというので、事務所に戻る。

 事務所に戻ると、あゆみがアキラについての話を聞かせてくれる。アキラは最近全て借金を返済し、将来は綾城商事の社長だとか言っていたらしい。


 ※主人公の推理


 そんなとき、事務所に一本の電話が入る。それは善蔵からのものだった。なにやら取り乱した様子で「二郎様が…」と繰り返す善蔵。いったい、何が起こったのか!…後編へ続く。


序章 一章 二章  三章 四章 五章  六章 七章
八章 九章 十章  エンディング
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