第九章

追跡!


 崖の上にやってきた主人公。アキラに襲われたことは思い出せるが、それ以外は思い出させない。 神田事務所に行き、ファイルを見せてもらえるよう頼むが、見せてもらえない。

 天地の家に行っても、天地は留守である。ドアにも鍵がかかっている。

 綾城家に行き、神田について聞くと、子供が見つかったと電話がかかってきたという。神田が犯人だと告げると、善蔵は驚愕の表情を浮かべる。さらに聞くと、神田は後継者の印のことも知っていたかもしれないと言う。

 再び崖の上に行くと、日が落ちてくる。あの日のことを思い出しながら、どうしてアキラが自分を海の方に落とさなかったのか考えていると、どんどん日が落ちてくる。すると、崖の先端の方でなにやら光っている。そこを調べると、ボタンが落ちている。草むらに隠れて今まで見つからなかったらしい。一応、拾っておく。

 綾城家に行き、茜を呼んでタバコ入れのことを聞くと、実物を持ってきてくれている。タバコ入れを調べ、引き出しを取るとはずれる。引き出しのとれたタバコ入れを取ろうとすると落としてしまう。その表紙に、中から一枚の紙が出てくる。その紙を調べると、こう書かれていた。


 ※タバコ入れの紙の文字


 茜にタバコ入れのことを聞くと、善蔵はそれを見て旦那様を思い出すという。善蔵を呼び、タバコ入れのことを聞くと、自殺した家族のことを思い出す。その家族の名字は神田であり、一人の息子もいたという。犯人の動機も分かり、再度神田事務所に向かう。

 神田事務所に行き、神田の動機を突きつけて秘書にファイルの提示を迫る。それでも、神田という名の弁護士はほかにもいると言って応じようとしない。仕方ないので、いったん天地の家に行く。

 天地の家に行くが、やはりいない。秘書の言葉を思い出しながら自殺した神田夫婦について考えると、げんしんのことが思い浮かぶ。早速神楽寺に向かい、話を聞くことにする。

 住職に会い、神田のことについて話してくれるよう頼む。聞くと、やはり、自殺した夫婦は神田の両親であり、キクもそのことを知っていてなお罪滅ぼしのつもりで顧問弁護士に雇っていたという。住職はキクとの約束で神田のことは話さないことにしていたという。初めて聞かれたときも意識して話さなかったらしい。神田を止めるよう住職に言われ、主人公は神楽寺を後にする。

 神田事務所に行き、ファイルのことを何回かしつこく聞いたあと、「優しさ」を見せると、見せてくれそうになるが、それはふりだった。再びファイルのことを聞き、「ケチ」呼ばわりすると、警察を呼ぶとまで言われてしまう。呼べるものなら呼んでみろというと、本当に警察に電話をする。しかし、逆に警察から主人公に全面的に協力するように言われ、渋々彼女はファイルを差し出す。ファイルを調べると、やはり、青酸タバコの事件の記録が載っている。ユリの子供を連れてきていないか秘書に聞くと、時々連れてきていたという。

 天地のマンションに行くと、見知らぬ男が話しかけてくる。聞くと、洗濯を頼まれていたのを持ってきたという。どうやらクリーニング屋らしい。その服はたぶん自分のものだと告げて、服をもらい受ける。気づいたことを聞くと、その服は海水でずいぶん濡れていたという。そして、クリーニング屋は去っていった。

 事務所に戻り、あゆみに「やはり海に突き落とされていたらしい」と告げる。あゆみは、誰かが海に落ちた主人公を草むらに運び、それを天地が見つけたのだと言うが…。

 あゆみに捜査状況を聞かれ、推理する。


 ※主人公の推理


 そのとき、あゆみのが「ユリの息子が、思い通りにならなくなるかもしれない。後継者の印さえあれば…」と指摘する。それに答え主人公は、


「!、本物の後継者は必要無い!!その子を殺して自分の思い通りになるような、変え玉を用意したのかもしれない!そう言いたいんだね?」


と聞き返す。「うん!」力強くうなずくあゆみ。そして、


「じゃあ、 神田が事務所へ連れて来ていたというのは…ユリの…本当の子供じゃないのか!」


と思い立つのだった。

 シャツを見せ、自分のものかどうか聞くと、確かに主人公のものだという。また、ボタンが一つとれていることも指摘する。ボタンを見せると、あゆみは「ボタンを付けてあげるから」といって、いったんその場を離れ、ボタンを付けてくれる。「着替えたら?」といわれるので、その場で着替えようとすると、あゆみが恥ずかしがる。そして、あゆみにやけどの跡のことを指摘される。

 鏡に映してみると、主人公の左肩に、昔からあったと思われるやけどの跡がある。何かが主人公の頭に浮かんでくる。主人公はもう一度もと子に会いに、八束町へ向かうのだった…。


序章 一章 二章  三章 四章 五章  六章 七章
八章 九章 十章  エンディング
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