第十章
最終幕
山本さわ子の元に駆けつけた主人公は、さわ子にやけどを見せる。すると、さわ子が全てを話してくれる。
主人公は、捨て子として山本さわ子の孤児院で育てられていた。しかし、さわ子が何かを隠していると気づいた主人公は、中学を卒業したすぐ後、「両親を捜す」という書き置きを残し、飛び出していったという。
また先日、和人が訪ねてきたという。やけどのことも和人から聞いたらしい。主人公が自分のことを聞くと、もと子がさわ子の写真を見せてくれる。それを見てさわ子のことを思いだし、自分がもと子に見覚えがあることに納得する。
ユリについて聞くと、下の名前を付けてくれたのは両親だという。事情を聞こうとすると、もと子はためらうが、必死で頼むと話してくれる。
※捨て子として育てた事情
最後に気づいたことについて聞くと、自分が男なのにいつも人形で遊んでいたという。それは立派な日本人形で、火事の時もユリが持ち出したほど大事なものだったらしい。自分のことを聞くと、「まだ持ってるのでしょう」と言われる。ユリのことを聞くと、彼女は死ぬ直前まで人形を主人公に渡そうとしていたらしい。写真に写っていると言われ、みてみるとそれには見覚えがあった。主人公はもと子にお礼を言い、事務所へと戻った。
事務所で、自分を罠にはめた神田に毒づく主人公。
※主人公の推理
事務所の棚の向かって右側の人形を調べると、それは確かに写真で見たあの人形だった。手に取ると、全て思い出す。人形が軽かったことを思い出し、調べてみると、中が空洞である。推理すると、人形の中で何か音がする。意を決し、人形を開けてみると、中には綾城家の家紋の入ったお守り袋があった。お守り袋を開けると、中から、古めかしい鍵と、丁寧に折り畳まれた紙切れが出てくる。紙切れを調べると、そこには以下のような文章が書かれていた。
※紙切れの文章
それはユリが息を引き取る直前に書かれたものだった。そして悲しみの中、主人公は後継者の印が綾城家の中に隠されていると推理する。そして、その場所は…。主人公は綾城家に向かった。
綾城家に行き、善蔵にお守りのことを話し、その後、気づいたことで、後継者の印が鍵で開けられる扉の奥にあると伝える。つまり、
「??? のなかにあるんです。」
と。そして、主人公は土蔵へと向かった。
土蔵の奥の扉にやってくる。錠前を取り、鍵をはずす。そのとき、ふと「うま進み、うさぎ進みて、とり開く、卍の中の印のぞまん。」という言葉を思い出す。そして、扉を開け、いよいよ中に踏み込んでいくのだった。
中にはいると、周りは真っ暗。調べると、善蔵さんが渡してくれた懐中電灯があるので、つける。中はちょっとした迷路になっている。地図はこちら。
※タバコ入れの紙の言葉の解説
中にはいると、神棚がある。善蔵を呼んでみるが返事がない。おかしいと思いながらも、神棚を調べることにする。神棚の上を調べると、黄金に輝く印と、折り畳まれた紙がある。印と紙を取り、紙を調べると、これが後継者の印だと書かれている。
お守りという言葉をやっと理解する主人公。同時に、ある一つの疑問が浮かんでくる。
「まてよ、僕は今日までお守りの存在すら知らなかった、その僕が、どうしてうわごとでお守りなんて言うんだ?!」
そのとき、主人公の背後に忍び寄る一つの影があった。
「やあ、記憶はもどったかい?ふっふっふっ」
その言葉にはっと振り返る主人公。そこに立っていたのは、頬に生々しいひっかき傷をつけた見慣れた顔、天地その人だった。
天地は、自分が神田弁護士だと告げる。そして、彼は犯行の動機と経緯について話し始めた。
※天地の告白
一通り話し終えた神田は、
「オレは綾城家に勝ったんだ!」
と叫びながら、ナイフを取り出して、主人公を殺そうとする。主人公は懐中電灯を落とし、辺りが真っ暗になってしまう。暗闇の中迫りくる神田。絶体絶命の主人公。
そのとき、一人の男が神田に飛びかかった。男は瞬く間に神田を取り押さえてしまう。そして、善蔵の通報で駆けつけた警官に、神田は捕らえられたのだった。
序章 一章 二章
三章 四章 五章
六章 七章
八章 九章 十章
エンディング
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