第八章

ひとみ、ちゃん?




 学校前に行き、辺りの生徒を呼んで話を聞くが、詳しいことを知らない。ほかの生徒を呼ぼうとすると、あゆみから、彼らは2年生だから洋子のことはよく知らないのではと指摘される。そのとき、あゆみから「ひとみちゃん」の話が出る。聞くと、河合ひとみと言って、洋子のクラスメイトだという。ひとみを呼んでみるが、ここにはいない。あゆみに話を聞いていると、彼女は何かを言いかけるが、チャイムが鳴るので、話は放課後と言って立ち去ってしまう。

 旧校舎に行くと、田崎がいる。話を聞くと、全てを話したつもりだという。『うしろの少女』のことを聞いたあと、金田事件のことを聞くと、あの晩壁を塗っていた彼は、誰かに見られていたような気がしたという。また、『うしろの少女』かどうかは分からないが、この学校には何かがいるような気がするという。そう言って田崎は仕事へと出かけていった。

 学校前に行き、耳を澄ますと誰かに呼ばれたような気がする。辺りを調べてみるが、誰もいない。もう一度耳を澄ますと、やはり声が聞こえる。移動しようとすると、葉山が現れて呼び止められる。職員室から主人公を呼んでいたらしい。何でも校長が主人公を呼んでいるらしい。そこで、校長室へと向かう。

 校長室には浦辺がいる。彼は主人公に金田事件について話すために呼んだのだという。彼に事件の経緯を話し、いろいろ話を聞く。一通り話を聞き、あゆみについて聞くと、あゆみを守ってほしいと言われる。田崎について聞いたあと、浦辺について聞くと、嘘の証言をしたことを認める。金田事件のことを聞くと、彼はあの事件で大切なものをなくしたという。「浅川しのぶですね」と主人公は聞くが、彼は答えない。しのぶについて聞くと、彼は彼女を守れなかったことを後悔しているようだ。

 そして、全てを話した浦辺は、生徒を守るためなら、自分の命も惜しまないと言う。主人公は評判通りの人物だと感じるが、その分、昨日の一緒にいた男が不釣り合いに感じ、見間違いだったかと考え、もう一度浦辺を見る。しかし、やはり、浦辺に間違いなさそうだ。そのこと浦辺に聞こうとすると、ちょうど電話がかかってくる。浦辺は電話に出て、慌てた様子で相手に待ってくれるように言い、主人公に、話は後にしてくれるようにと言う。仕方ないので、主人公は職員室へと向かった。

 職員室には、知らない先生が一人いるだけである。一通り話を聞いたあと、校長室に戻る。

 校長室に戻ると、浦辺がいなくなっている。

 再び職員室に戻り、浦辺のことについて聞くと、もっとも彼に心酔しているのは日比野だという。そこに、ちょうど日比野が戻ってくる。彼に浦辺について聞くと、校長はすばらしい人だと力説される。また、金田事件について尋ねると、一瞬顔を曇らす。それ以降、何を聞いても答えてくれない。ほかの先生を呼ぼうとすると、その先生が、日比野の顔色が悪いことを指摘する。そして、日比野は急に立ち去ってしまう。

 校長室に行くと、部屋が暗い。見ると、ブラインドが閉められているので、開ける。すると、校門のところに、人影が見える。人影を調べると、繁華街で浦辺と会っていた男だと分かる。会って話をしようと思い、校長室を出る。

 校門前に行くと、あの男はすでにいない。しつこく辺りを調べていると、一人の男が現れる。彼の名前を聞こうとすると、旧校舎裏に連れて行かれる。

 旧校舎で、男に話しかけても怒鳴られてばかり。どうやら何か誤解されているらしい。関わりたくないと考え、移動しようとするが、移動もさせてくれない。男の顔を見ると、眉毛がない。再び移動しようとするが、再び止められる。だんだんむかついてきた主人公は根性を見せることにする。すると、男は空手3級だという。主人公が3段だと言うと、ひるんでしまう。しかし、それでもかかってこようとしたとき、あゆみが現れる。主人公は男とのやりとりはとりあえず置いておいて、彼女の話を聞くことにした。

 あゆみに話を聞くと、彼女は主人公と葉山が話しているのを聞いて、金田事件を調べたのだという。そして、その事件の真犯人に洋子が殺されたと知った。さらに、失踪したしのぶ、真相の分からぬまま自殺した内田、そして、現場から走り去った黒い乗用車のことなど、これらを全て自分で調べたという。そして彼女は主人公に、自分にも手伝わせてほしいと頼み込む。

 彼女の話の後、先ほどの男を呼ぶと、

「そーゆーことなら、協力しよーじゃねえか。」

と言って、協力を申し出てくる。そんな彼に、あゆみは言ったのだった。

「ありがとう、ひとみちゃん!」


 呆然としながらも、主人公は男に念のため名前を聞いてみる。すると、彼は、丑美津高校の番格、河合ひとみと名のる。彼は返事を聞かせてほしいと言う。主人公は彼となら大丈夫だろうと考え、協力をお願いすることにした。

 ひとみに男のことを聞くと、校長と一緒にどこかへ行ってしまったという。ひとみは以前からその男に注意していたという。もう一度男のことを聞くと、彼もあの男が校長とは釣り合わないと感じているようだ。あゆみを呼び、気づいたことを聞くと、手分けして調査しようと言う。主人公は金田事件、ひとみは不審な男のことを調べ、あゆみはその他のことを調査するという。その言葉に、ひとみは張り切って出かけていく。そんなひとみを見て、あゆみが顔を曇らせる。彼女の顔を見て、主人公が声をかけると、どうやら、こうしてみんなで調査するのを見て、洋子のことを思いだしてしまったらしい。しかし、彼女はすぐに気を取り直すと、調査に出かけていった。主人公もそれに続き、調査に向かった。

 学校前に行き、生徒を呼んで話を聞くが、大した話は聞けないと感じる。そこで、浦辺達に会えるかもしれないと思い、繁華街に行ってみることにした。

 時間が早いため、繁華街の人はまばらである。通行人を呼び止めて話を聞いてもろくな話は聞けない。呼び込みを呼び、あの日の浦辺のことについて聞いてみるが、覚えていないと言う。一通り話を聞いた後、通行人と、呼び込みと交互に話をすると、人通りが途絶えてしまう。呼び込みを見ると、暇そうにしている。彼に気づいたことを聞くと、次の電車まで中で休憩すると言って、店内に入っていってしまう。

 中に入ろうとすると、子供は入っちゃ駄目だと言われる。彼は店長の水野だと名のる。彼に気づいたことを聞くと、「何を調べているのだね?」と言われるので、金田事件について聞くと、よく知っているという。一通り聞いたあと、五郎について聞くと、彼と五郎は若いとき遊び仲間だったという。五郎はあの事件の後、遺産を相続して景気がよかったという。親が死んだのに、妙に浮かれているので、仲間内では、五郎が親父を殺したのではないかという噂が立っていたという。また、五郎は仲間がついていけないほどの悪で、さらに、養子だったらしく、源治郎とは他人だという。そのことが、噂をより信憑性高いものにしたという。しかし、五郎は親とうまくやっており、金に不自由はしておらず、殺す理由は見あたらなかったという。五郎とはもう10年会っていないらしい。彼が知っているのはこれくらいだという。

 最後に洋子の手帳を見せると、どこかで見たような気がするという。洋子について聞こうとすると、もう仕事に戻らないといけないという。帰り際、彼は昔の仲間から、五郎が財産を使い果たし、金を返せと言ってきたという電話をもらったという。

 店長もいなくなり、辺りを見ても浦辺達は現れそうにないので、もう帰ることにする。

 事務所に戻り、推理する。


 ※主人公の推理


序章 一章 二章  三章 四章 五章  六章 七章 八章
九章 十章 十一章  十二章 エンディング おまけ
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