「なぜなら…」
学校に着くと、あゆみと日比野に出会う。あゆみに浦辺のことを聞くと、学校にはもうあゆみと日比野しかいないと言う。日比野も、校長はまだ出張から帰ってきていないと言う。主人公は出張がでまかせで、学校に浦辺がいるという電話があったことを告げると、彼らと共に校長室へと向かった。 校長室に行くと、内側からカギがかかっている。扉を蹴破って中にはいると、そこには血にまみれた浦辺校長の姿があった。辺りを見ると、窓にも全てカギがかけられている。死体を調べるとそばに封筒があるのが分かる。封筒を取り、開けて中の数枚の便せんに書かれている内容を読み上げる。
「う、嘘だ…!」その手紙の内容に、日比野が声を上げる。主人公は意外な結末に驚き、このときになってやっと、あのときの電話が浦辺からだと気づく。
「こ、校長…!!」
声を上げて泣き崩れる日比野。主人公が彼に声をかけるが、効果がない。
「嘘だ!校長は、人殺しなんかじゃない!これは全て嘘だ!」
そして、日比野は突然振り返る。
「なぜなら…、本当はみんな、俺が殺したからだ!」
日比野の手にはナイフが握られていた。「お前らさえいなければ…お前らさえ!」
そして、日比野は事件について語り始めた。
そのとき、日比野が隙を見せる。主人公はあゆみの手を取って外へ飛び出した。「! だめっ!そっちへ逃げちゃ!」
そうあゆみが叫ぶが、すでに遅かった。
主人公達は行き止まりになったあの、大鏡の前に逃げてしまった。まさに逃げ道は閉ざされたのだった。青ざめる二人に日比野の足音がゆっくりと近づいてくる。近づきながら、日比野は再び語り始めた。
そして、日比野は主人公達の目の前に立ち、叫ぶ。「お、お前ら、お前らも…殺してやる!」
主人公はとっさにあゆみをかばい、身をかわす。日比野のナイフが当たった鏡にひびが入る。そして、鏡背に、日比野は振り返った。
そのとき!
なんと!砕け散った鏡の裏からミイラとなったセーラー服姿の死体が飛び出し、日比野に覆い被さった!
「し、しのぶ?!」
日比野が驚愕の表情で叫ぶ。駆けつけた空木と警官達も息をのんだ。それ見て、あゆみが叫ぶ。
「あ、あの日洋子が言っていた私の後ろって…、鏡に写った私の後ろという意味だったんだわ!」
あゆみはそう言うと気を失ってしまう。主人公はあゆみを抱きかかえ、おぞましい現場を離れたのだった。