一章 ネズミの嫁入り
※いったいさんの語り
犬は神社の床下にいた。そこへ子供たちがやってくる。吠えると棒を差し込んでくる。棒を咥えていると、外に引きずり出されてしまう。なんとか床下に逃げ戻り、もう一度吠えるとおじいさんがやってくる。おじいさんは子供たちにりんごをわたし、犬を譲ってもらう。おじいさんは犬に『りんご』となづけ、犬はおじいさんたちと一緒に暮らすことになる。ある日、おじいさんとおばあさんはひのえ様の春祭りについて話し出す。おじいさんは木に花を咲かせる不思議な灰を取り出す。おじいさんが目を離しているすきに、その灰がなくなってしまう。
おじいさんが灰を探しに行っている間、りんごが灰を取ろうとすると中に何かある。取ってみると、それはおじいさんのキセルだった。
左に行くと寝室で、おじいさんが灰を探している。右に行くとおばあさんがご飯の支度をしている。
下に行くと家の外に出る。左のほうに行くと床下に潜り込めるところがあるが真っ暗で動けない。
更に下に行き、右に行くとおじいさんの畑がある。左に行くと鶏小屋がある。おんどりに話し掛けると、日が昇っているうちは寝ているからだめらしい。めんどりに話を聞くと、早口で以下のようなことを言う。
さらに東に行くと馬小屋がある。そこには『あお』という馬がいる。家に戻り、寝室にいるおじいさんを見ると、足元に灰がこぼれている。おじいさんにキセルを渡すと、おじいさんは一休みをしに部屋を出て行く。床を見ると、おじいさんが立っていたところに穴が空いている。穴は床下へと続いている。
外に出て、床下に潜ると、奥に明かりが見える。奥へ進み、地面を見ると、灰が左のほうへ点々と続いている。灰をたどって進むと、行き止まりになる。壁には穴が空いており、その先はどうやら鶏小屋らしい。地面を見ると、灰とともにねずみの足跡が見つかる。
鶏小屋に行き、めんどりにねずみのことをを聞くと、今度は次のようなことを言う。
もう一度聞くと、今度は次のようなことを話す。
馬小屋に行って『あお』に話を聞くと、鶏のおちよさんからねずみの娘が結婚するという話を聞いたといい、お祝いを考えているという。畑に行き、畑を見てから菜の花のところを調べると、ミツバチが逃げていく。その後、れんげの花を調べると穴が見つかる。穴を調べると話し声が聞こえてくる。話し掛けると何やら熱心に話しをしている。
家に戻り、おばあさんに話し掛けると昆布の切れ端をくれる。おじいさんに昆布を渡そうとすると、おじいさんは昆布は縁起の良いものなので、取っておきなさいという。
昆布を持って再び畑の穴のところに行き、穴の中にお祝いとして昆布を落とす。すると、中から、ひげの生えたねずみが現れる。そのねずみは花嫁の父で陣五郎というらしい。灰の話を出すと、慌てて穴の中に引っ込んでしまう。穴を見ると、陣五郎が困ったように話をしている。何やら代わりの白い衣装が必要らしい。
馬小屋に行ってあおに話し掛けると、あおが白い布をわたし、お祝いとして持っていってくれるようりんごに頼む。
畑の穴のところに行くと、ねずみの親子が待ち構えている。彼らは灰の袋を差し出し、「布がきれいだったので花嫁衣裳にしようと思って盗んでしまった」と告白する。彼らを許すと、陣五郎が感激し、りんごのことをひのえ様ゆかりの小犬だといってくる。りんごは灰の袋をもらい、代わりにあおからあずかった白い布を渡す。
家に戻り、おじいさんと話すと、おじいさんは喜び、りんごを誉めるのだった。
翌日、りんごはおじいさんと一緒にひのえ神社へとやってくる。おじいさんは花を咲かせに行く。そして、りんごは歩いているといろいろな人から話しかけられるのだった。