一章 乙姫様を救い出せ!
※いったいさんの語り
鬼のことを急いで知らせようと急いで竜宮のほこらに戻ってきたおはな。しかし、乙姫の姿がない。そこへ『ましらの文吉』というヒヒが現れる。乙姫のことを聞くと、彼がさらったという。彼は龍の解き放たれた今、魔物の森に住むことをやめ、龍の手下となって暴れることにしたという。そのために乙姫を差し出すらしい。彼はおはなも仲間に誘うが、おはなは断り、くちばしで攻撃をくわえる。しかし、彼の硬い皮膚には通用しない。そして、文吉はおはなに襲いかかってくる。とっさに向かって左にかわすと、空に飛び立つことができる。
一人ではかなわないと思ったおはなはいったん退却することにする。中央にある大きな木の上に行くと、そこはごんた桜という桜の木で、『ジャノウ』という太ったスズメがとまっている。彼に乙姫が捕まってしまったことを告げると、役立たず扱いされてしまう。ごんた桜の下に降りると、遠くに砂煙が見える。それはだんだんと近づいてきて、それが鹿の『鹿吉』と猪の『猪太郎』の義兄弟であることが分かる。彼らに乙姫の危機について話すと、協力してくれるという。
南にある森の一カ所が色が異なっている。そこは西の森の木の上だった。葉っぱを何度か見ていると、一枚だけ葉っぱが揺れている。すると、そこからミツバチが現れる。ミツバチに乙姫のことを話すと、協力してくれるという。
南の森でさらに下に降りるとタヌキの『タヌさん』とキツネの『キー坊』がなにやら言い争いをしている。どうやら化け方についてお互いの考え方が食い違っているらしい。彼らに乙姫のことを話すと、喜んで協力してくれるという。
東の森に行くと、いったいさんの地蔵がある。森を見ると、木がざわめく。この瞬間に地蔵の方に振り返ると、森の木から飛び出す物影を見つけることができる。物影の飛んでいった森の方を見た後、再び地蔵の方を向くとまた木がざわめく。そこで、すかさず森の方を向くと、森から何者かが飛び出してくる。それは子リスの『チィ坊』だった。彼に乙姫のことを話すと動揺しながら必死で何かを考え込みはじめてしまう。
吊り橋に行き、さらに下の河原に行くと、河原の主でもう50年も生きている『かに兵衛』というかにがいた。乙姫のことを話すと、「どうするつもりなのか」と聞き返してくる。話を聞くと、かに兵衛は、文吉を上手くだまして『竜宮のほこら』から注意を逸らし、その隙に乙姫を助け出すよう言われる。また、文吉が追いかけてきた場合にはこの上の吊り橋に誘い出して突き落とせばいいと言われる。おはなはその作戦に賛同し、詳しい作戦を練ることにした。
谷から上に上がり、吊り橋を見ると、この橋のツルを切って文吉を谷に落とすことを思いつく。ごんた桜のジャノウのところに行き、作戦のことを話し協力してもらおうとする。
しかし、どの作戦もなんだかんだ理由を付けて断られてしまう。
この後、本格的に作戦の依頼に入る。南の森のタヌさんとキー坊のどちらかに、ほこらの前で乙姫に化けてもらい、文吉をおびき出してもらうことにする。ここではキー坊の新しさよりも、タヌさんの演技力を見込んで、タヌさんに依頼することにする。
ごんた桜の鹿吉と猪太郎のどちらかに、吊り橋へと乙姫を運んでもらうことにする。ここでは、猪太郎のスピードよりも鹿吉のしなやかさを見込んで、鹿吉に頼むことにする。
ミツバチには、危ないときに合図を出し、文吉を刺してもらうようにする。
皆に作戦を依頼した後、かに兵衛には以下のどちらかを依頼することになる。
このあと、かに兵衛と話をすると、ジャノウのことが話題に上る。すると、かに兵衛はジャノウには偵察させてみてはどうかと提案してくる。再びジャノウのところに行き、ほこらの偵察を依頼する。今度は快く引き受けてくれる。ジャノウは重そうな身体を揺らし飛んで行くが、時間がかかりそうである。
しばらく他のところをぶらついてから再びごんた桜へ行くと、ジャノウが戻ってきている。話を聞くと、乙姫はほこらの奥の部屋に監禁されていたという。さらにぐるぐるに縛られているため、そのままでは歩くこともできない状態だという。
そこで、東の森のチィ坊に行き、乙姫を縛っている縄をかみ切ってくれるよう依頼する。
これで作戦の準備は整った。
そして、竜宮のほこらの前に行き、いよいよ実行へと移る。まず、タヌさんが乙姫に化け、文吉を挑発して上手いことおびき出してくれる。その隙に、おはなとチィ坊はほこらの中へと進入する。(キー坊に依頼していると、あまりに演技が斬新すぎて、文吉が夢だと思ってしまう。)
ほこらの中では上・左・右に移動できる(時間制限あり。)。上に行くと空き部屋、右に行くと外に出てしまう。左に行くと、縛られている乙姫が見つかる。チィ坊に縄をかみ切ってもらい、ほこらの外へと急ぐ。(チィ坊がいないと縄が切れないため乙姫を連れ出せない。)
ほこらの外では、作戦通り鹿吉が待ちかまえている。乙姫を鹿吉に乗せ、おはなたちは吊り橋へと急いだ。
途中、文吉が追いついてくる。ここで鹿吉に話しかけ急ぐように言うと、鹿吉は何とか文吉を引きはしてくれる。おはなは後は鹿吉に頼み、一足先に吊り橋の向こう岸へと向かう。
向こう岸に行くと、かに兵衛が必死になってツルを切ろうとしているが、なかなか切れない。かに兵衛に話しかけ、せかしているうちに乙姫を乗せた鹿吉が吊り橋を渡り終える。それに続き、文吉も吊り橋を渡りはじめる。おはなはかに兵衛をせかし続けるが文吉はどんどん渡ってくる。
そして文吉が目前に迫ったとき、ようやく二本のツルのうち、一本を切ることができる。文吉はバランスを失い、谷底に落ちそうになるが、片手一本でぶら下がり、耐えてしまう。かに兵衛はもう一本のツルも切断にかかるが文吉が上ってくるまでにできそうにない。そこで、ここでミツバチに合図し、文吉のぶら下がっている手を刺してもらう。これにより、文吉は支えを失い、谷底へと落ちていくのだった。
無事乙姫を救出したおはなたち。乙姫はおはなに礼を言い、これから生まれ変わりの儀を受けるという。おはなは、それは数年先のことではないかと言うが、乙姫は龍が復活しようとしている今、一刻の猶予も無いという。そして乙姫とともにおはなたちはほこらへと戻っていくのだった。