三話 おはなの巻

二章 ムジナのヤブ知らず




 ※いったいさんの語り


 周りを見ると、部屋にはこうり(荷物を入れる箱)と文机(昔の机)がある。乙姫に話しかけると、今回は龍の復活のため、『生まれ変わりの儀式』にあまり時間がかけられず、不完全な状態のまま生まれ変わって戻らなければならないと言う。

 そこへ使いの者である金太郎がやってくる。乙姫から竜宮の首飾りを取ってくれるよう頼まれるので、探すことにする。しかし、こうりにも文机にも見あたらない。どうやら文吉にさらわれた際に紛失してしまったらしい。乙姫はおはなに首飾りを探してくれるよう頼むと、一足先に白石の泉へと出発した。

 おはなは首飾りを探すため、まず大空に飛び上がる。周りの森を見てみるが、そこを通った覚えはない。吊り橋を見ると、やはりそこしかないように思う。

 吊り橋に移動しようとすると何者かがこちらに向かって飛んでくる。それはジャノウだった。彼に首飾りについて聞いてみると、先日の救出劇の際、何か光る者を持って誰かが南の山を越えていったという。おはなが協力を要請すると、ジャノウは、南の山の向こうは『魔物の森』といい、天狗という恐ろしい化け物がすんでいるのでいやだという。結局、おはなは一人で魔物の森を目指すことにした。

 魔物の森に着くと、そこにはいったいさんの像がある。奥に進もうとするとカラス天狗が二羽出てきて行く手をふさいでしまう。カラス天狗に森のことを尋ねると、ここは大天狗の領地であり、その許しがなければ中に入れないのだという。大天狗に会いたい申し出ると、素性のしれない奴を会わせるわけにはいかないと言われる。そこで自己紹介すると、乙姫の名前を聞いてカラス天狗たちの反応が変わる。何でも大天狗と乙姫は古い知り合いらしい。もう一度首飾りのことを尋ねると、大天狗のところに案内してくれると言う。

 カラス天狗について移動していると、途中で変なタヌキに出会う。しかし、カラス天狗にせかされるため、奥へ進むことにする。

 そして、おはなは大きな屋敷の前へと連れてこられる。さらに屋敷の奥にある大天狗の部屋に通された。大天狗に文吉のことと首飾りの紛失について話す。このとき、首飾りが後光の輝きを放つことを話すと、大天狗は持ち出したのは自分の息子ではないかという。息子は大天狗とカラス天狗の族長の娘との間にできた子供で、カラス天狗後が混じっているせいか、光る物に目がないのだという。彼の行方を尋ねると、森の中にはいると思うので探して欲しいと言われる。そこで、おはなは大天狗の息子を探すことにした。

 屋敷を出てから右に行くと、辺りは一面銀世界である。そこには雪女がいる。話しかけても相手にしてもらえない。そこから下に行くと、そこにも雪が積もっている。周りを見ると何かが雪の中に埋まっているのが分かる。何かを見た後突っついてみると、河童が雪に埋もれていたことが分かる。話しかけても寝ぼけていて答えてくれない。

 屋敷の左にある道を北に行くと、『さとり』という妖怪がいる。話しかけると、ちょっとした勝負をして勝ったら息子のことを教えてくれると言う。

 ゲームは『あっちむいてホイ』である。


 ※『あっちむいてホイ』攻略法


 勝負に勝つと、天狗の息子の『天ちゃん』はこの奥の丘の上にいると教えてもらえる。

 丘の上に行くと、そこは天ちゃんの秘密基地で、木の上に天ちゃんがいる。彼に首飾りのことを尋ねると、彼は持っているが渡したくないと言う。そして、どうしても欲しかったらもっといいものを持ってこいと言われる。

 屋敷に戻り、大天狗にこのことを話すと、大天狗でも天ちゃんは手に負えないと言う。そこで天ちゃんが興味を持ちそうなものを大天狗に尋ねた後、カラス天狗にも尋ねると、天ちゃんの友達なら知っているかもしれないと言う。その言葉に対し、大天狗が河童なら知っているかもしれないと言う。

 屋敷の左に行くと、左の泉の方からおはなを呼ぶ声が聞こえてくる。泉に行くとそこには『天の邪鬼』がいる。話しかけると、「おもしろいことを教えてやろうか?」と言われる。ここで、天の邪鬼の性格を考えて「いいえ」と答えると、この泉には異国から移り住んできた水の精がいて、泉の中に何か落とすと金目のものに変えてくれると教えてくれる。(ハイと答えるとなにも言わずどこかへ去っていってしまうが、一度河童のところにいってから戻ってくるとまたいる。)

 屋敷の南に行くと、ムジナがいる。彼にはいろいろと話が聞ける。雪女について聞くと、彼女は毎年こちらへ降りてきて、花が咲く頃に帰っていくという。河童のことを聞くと、彼は寒いときにはいつも冬眠してしまうと言う。看板を見ると『ムジナのヤブ知らず入り口 危険!迷うおそれ有り』と書かれている。看板について尋ねると、この先に彼の爺さんの作った『ヤブ知らず』があるという。しかし、その爺さんが死んでしまったために誰も抜け道が分からなくなってしまい、ある日旅の親子連れが迷い込んでしまったため、こうして彼が見張っているのだという。

 河童のところに行くと、再び天の邪鬼がいる。彼に話しかけると一つの小石を「貸してやる」と言って渡して去っていってしまう。

 小石を持って泉に向かい、泉の中に小石を落としてみる。すると、池の底から『水の精』が出現する。「ナニヲオトシタノデスカ」と聞かれるので、小石と答える(間違えても大丈夫)。すると、ちょうど1000人目だからダイアモンドを渡してくれる。

 天ちゃんのところに行き、ダイアモンドを見せると、すでにたくさん持っているという。そして、ついでに天ちゃんは彼の宝物を見せてくれる。ほこらの中を見ると、宝に混ざって赤い袋があるのが分かる。袋について聞くと、変な爺さんからかっぱらってきたもので、灰しか入っていないと言う。袋を取ろうとすると、天ちゃんが「灰が欲しいのか」と聞いてくる。ここで「いいえ」と答えると「灰のことを知っているのか?」と聞かれる。「知らない」と答えると実際に木に振りかけて実演してくれる。辺りは桜で満開になる。

 下に降りると、桜の花びらが辺りに舞っている。下の道に行くと再び天の邪鬼がいる。そして、先ほどの石を帰して欲しいと言ってくる。すでに小石はダイヤに変えてしまっていたが、天の邪鬼はおはなからそのダイヤを無理矢理奪って去っていく。

 屋敷の前に行くと、ここにも花びらが舞っている。そして、雪女の悲鳴が聞こえてくる。右へ行くと雪女がいない。どうやら雪女は天ちゃんの咲かせた花を見て春が来たと勘違いし、帰っていってしまったらしい。雪女が去った後、雪は解けていく。

 河童のところに行くと、そこもすっかり雪が解けている。そこで春が来たと言って河童を起こすと、河童は目を覚ます。河童に天ちゃんが今一番欲しがっているものについて尋ねると、『隠れ蓑』だという。なんでもそれは天狗家に代々伝わるものだが、天ちゃんがそれを使って度々悪さをしたため、手の届かないところに隠されてしまったのだという。

 屋敷に行き、大天狗に隠れ蓑をくれるよう頼むが、隠れ蓑はムジナのヤブ知らずに隠してしまったのだという。そして大天狗は『ムジナの尻尾』を渡してくれる。これを使うとどこからでも外へ出られると言う。無事見つけたらくれるという大天狗の言葉を信じ、おはなはムジナのヤブ知らずへと向かった。

 ムジナのところにいって話を聞くと、大天狗の許しがあるなら入ってもいいという。しかし、六回移動しても何も変わらなかったら、あきらめて出てくるよう言われる。もう一度話を聞くと、ヒントは全部で六つであるとも教えてくれる。

 一旦中に入った後、さとりに話を聞くと、大天狗に聞くようにと言われる。屋敷に行き大天狗に話を聞くとヒントを教えてくれる。


 ※ヒントその1


 さらにもう一度話しかけるとまたヒントを教えてくれる。


 ※ヒントその2


 再びさとりのところに行くと、次は地蔵さんだと言われる。地蔵のところに行き、見たり呼んだりした後、戻ろうとすると声が聞こえてくる。


 ※ヒントその3


 再びさとりのところに行くと、次のヒントは自分で探すように言われる。また、ヤブで迷った後探すといいと言われる。そこで、一度ヤブに入った後屋敷に行き、カラス天狗に話を聞くと、ヒントを教えてくれる。


 ※ヒントその4


 さとりのところに行くと、もう少しヤブで迷ったらいいヒントを教えてくれるという。そこでもう一度ヤブに入ってからさとりに話を聞くとヒントを教えてもらえる。


 ※ヒントその5


 再びヤブに入った後、屋敷の前に行くと天の邪鬼がいる。そして最後のヒントを教えてくれる。(ただし、天の邪鬼は本当と逆のことしか言わないことに注意。)


 ※ヒントその6


 これらのヒントを元に、実際にヤブを攻略する。


 ※ヤブの攻略


 正しい道筋で進むと、突然ムジナの尻尾が光り出す。おはなが気がつくと辺りの霧が晴れ、ムジナの尻尾が消えている。ムジナのヤブ知らずの結界が解けたらしい。すると、奥の方から何やら女の人のすすり泣きが聞こえてくる。鳴き声に誘われてヤブの奥の方へと進んでいくと、不思議なことに大きな岩が泣いている。それは『夜泣き石』と呼ばれる石だった。周りを見ても、隠れ蓑は見つからない。夜泣き石に話しかけると、息子がいなくなってしまったという。そして、もう一度話を聞くと、息子は冷たい水の中にいるという。どうやら、あの泉に落とした石が彼女の息子だったらしい。

 一旦ヤブの外に戻り、ムジナに石について聞くと、昔迷い込んだ母と子がお互いにはぐれてしまい、未練を残したまま死んで石になったのではと言う。

 泉のところに行き、水の精に呼びかけるが、返事がない。さとりのところに行くと、水の精は一度幸運を与えた相手の前には二度と姿を現さないと言われる。

 河童のところに行き、泉の底に沈んだ石を拾って欲しいと頼むと、快く引き受けてくれる。泉へ行くと、河童が小石を拾っていてくれる。

 小石を持って夜泣き石のところへ行き、小石を渡すと、夜泣き石は安心して消えていく。周りを見ると、夜泣き石があった辺りに何かある。それを見ると、隠れ蓑であることが分かる。

 隠れ蓑を持って天ちゃんのところへ行き、隠れ蓑を渡すと、首飾りを返してくれる。そして、おはなは首飾りを持って乙姫の待つ白石の泉へと急いだ。

 白石の泉には乙姫と金太郎が待っている。おはなは乙姫の手に『竜宮の首飾り』を渡すことができたのだった。

 そして、乙姫はおはなに、生まれ変わりの儀式が始まると、この白石の泉に結界が張られ、時が止まってしまうので、おはなにこの泉にとどまって乙姫が再び泉に戻って龍と決戦するときに力を貸して欲しいと言われる。おはなが快く了解すると、乙姫は、この泉にとどまることでおはなにも新たな力が得られると言われる。今度はいつ頃会えるのかと尋ねると、七、八年だという。本来は機会の中で50年ほどの時間を過ごすはずだったという。しかし、時間がないため、普通の人の子のように無力な状態で生まれてこないといけないと言う。おはなの真の戦いはまだこれからだった。

 ※ゲームオーバー条件


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