一章 鬼ヶ島への上陸
※いったいさんの語り
乙姫が生まれ変わりの儀式のため『白石の泉』に結界を張っておよそ八年後、無事に生まれ変わった乙姫=ひかりと太郎=どんべは、不思議な運命に導かれ、二人のお供となったりんごとまつのすけとともに、白石の泉へとたどり着き、無事おはなと巡り会うことができた。そしておはなもお供に加わり、いよいよ決戦の時を迎えるのだった。みんなを見た後、周りを見ると泉の中に何かあるのが分かる。見ると、それは不思議な形をした島であることが分かる。おはなにその島のことを聞くと、それは『鬼ヶ島』だという。龍が放たれたときから徐々に岩が集まりだし、竜宮城を押さえつけるようにできあがったのだという。また、鬼達の集めた魂はすべてそこにあるらしい。そして、龍の玉も。
ひかりに泉の中に見える島が鬼ヶ島だと告げると、どうやっていくのか聞き返される。そこで、もう一度おはなに話を聞くと、おはなは大きく羽ばたき、大きな身体へと変身する。それはひのえ様から授かった力だという。どんべたちはその背中に乗ると、鬼ヶ島へ向けて飛び立ったのだった。
鬼ヶ島…、その不気味な姿の全体が見えてくる。ひかりに話しかけると、一度島の周りを飛んでみようと言う。おはなに降りられそうか聞くと、もう少し先に進めば上陸出来そうだと言われるので、先に進むことにする。
先に進み、りんごに話を聞くと、洞窟の奥の方から、かすかに白石の泉に似たにおいがするという。
洞窟にはいると、そこには泉がわいている。りんごに聞くと、その泉は白石の泉と同じにおいだという。試しに飲んでみると、体中の疲れがとれるのが分かる。
鬼ヶ島西面の下の浜辺におり、りんごに話を聞くと、上の方から鬼のにおいがすると言われる。また、おはなにここからあがれるか聞いてみるが、だめだと言われる。
東面の浜辺に降り、周りを見ると何かあるのが分かる。見ると、どうやら紙切れのようである。りんごに話を聞くと、干物のにおいがするという。まつのすけにそれを取ってきてくれるよう頼むと、まつのすけは器用に岩を登って取ってきてくれる。しかし、見てみてもよく分からない。りんごは干物のにおいがするという。とりあえず移動しようと思い、まつのすけに渡すが、まつのすけはいらないと言って海の中に捨ててしまう。
もう一度東面の浜辺に降りると、海の中からひかりを呼ぶ声がする。それは、竜宮城で乙姫に使えていたクラゲの『おしの』だった。実は、先ほどの干物がおしのだったらしい。おしのは自分の知っていることは何でも教えてくれるという。龍の玉について聞くと、龍の玉を封じ込められるのは玉手箱だけだという。玉手箱について聞くと、カメが竜宮城に持ち帰ったはずだという。竜宮城について聞くと、この鬼ヶ島の地下にあるという。何かいいことは無いかと聞くと、島のどこかに『とうふ岩』があり、そこに魂が捕らえられているという。
南面の浜辺に降りると、階段が上の方にのびている。階段を上ると、そこには鬼が見張っている。戦っても勝てそうにないので、一旦退却することにする。
おしののところに行き、鬼について訪ねると、鬼を倒すには『鬼切り丸』と呼ばれる刀が必要だという。そして、その刀は渦に巻き込まれ、この島の浜のどこかにあるはずだという。
西面の浜辺に行き、りんごに刀のにおいはしないかと尋ねると、りんごは見事刀を掘り当てる。
刀を持って、鬼のところへ戦いを挑む。
道は3方向に分かれている。上に行くと、そこは見張り台のようで、鬼が二匹いる。鬼を倒し、周りを見ると、鬼が集まっている四角い岩を見ることができる。どうやら、それがとうふ岩らしい。分かれ道に戻り、右へ行くと鬼が二匹いる。退治して周りを見てみるが、何もないようである。
分かれ道を左に行くと、ここにも鬼が二匹いる。退治した後、周りを見ると、道は二手に分かれている。左に行くと鬼が一匹いるだけで行き止まりである。上に行くと、鬼が三匹いる。そして、中央の鬼は赤い髪をしている。三匹とも退治すると、ひかりがこの先に何か見えるというので、そちらへと向かう。
そこは鬼ヶ島の頂上で、先ほど見えたとうふ岩があった。しかし、周りは鬼だらけで、戦ってもとても勝てそうにない。ひかりと話すと、何とか鬼をおびき出せないかと言われる。そこで、どんべがおはなとともに反対側に回り込み、おとりになることにした。
上手く反対側に回り込んだところで、鬼達に向かって叫ぶと、もくろみ通り鬼達はどんべを追いかけてくる。その隙に、ひかりたちはとうふ岩へと駆け寄るのだった。一方、どんべは崖に追いつめられていた。ましらの文吉がどんべに詰め寄る。そんな文吉に対し、大きくなったおはなが声をかける。昔受けた仕打ちを思い出した文吉は、おはなに対して飛びかかっていく。おはなはとっさにどんべを飛び移らせ、文吉から身をかわす。目標を失った文吉はそのまま崖の下へと落ちていくのであった。そしてどんべたちは空へと舞い上がっていった。
こうして、どんべは見事鬼達を引きつけることに成功したのであった。